最近iDeCoって言葉をよく聞くけど、どんな制度なの?
資産運用には興味はあるが資金があまりないため、iDeCoに興味を持っている方は多いです。特に、公務員はiDeCo加入率が高いことが知られており、うまく活用することで老後資金の足しにできる可能性があります。外国株やFXなどハイリスクハイリターンのギャンブルのようなものではなく、堅実に老後資金を増やしていきたい方は、iDeCoについてこの記事で学んでみてください。
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iDeCoとは?「任意で加入できる私的年金制度」
iDeCoとは、個人型確定拠出年金のことです。individual-type Defined Contribution pension planの頭文字から構成されており、イデコと読みます。年金という文字が入っていますが、実際には自分で支払った掛金の範囲内で金融商品を選び、運用していく資産運用の1つです。
iDeCoには20歳から65歳までの全ての人が加入できます。受け取ることができるのは60歳以上であり、長期運用が前提となります。つまり、老後の資金準備として活用されており、任意で加入できる私的年金制度と言えます。2017年より公務員もiDeCoに加入できるようになりました。2015年に共済年金が廃止となり、公務員も老後を心配するようになってきており、年々iDeCoの加入者数は増加傾向にあります。
公務員がiDeCoをする場合のポイント「上限1万2,000円まで!」
iDeCoの掛金限度額は職種によって以下の通り異なります。自営業者は最大で月額68,000円まで掛金を払うことができますが、公務員は最大でも12,000円までと最も少ない掛金になります。以下が掛金の一覧です。
加入資格 | 掛金(月額)上限 | |
第1号被保険者 | 自営業者等 | 6.8万円 |
第2号被保険者 | 会社に企業年金がない会社員 | 2.3万円 |
企業型DCのみに加入している会社員 | 2.0万円 | |
DBと企業型DCに加入している会社員 | 1.2万円 | |
DBのみに加入している会社員 | ||
公務員等 | ||
第3号被保険者 | 専業主婦(夫) | 2.3万円 |
公務員の掛金上限は12,000円で、最低金額は5,000円です。そこから1,000円単位で掛金を設定することが可能です。後程説明しますが、掛金は全額所得控除になるため、年間で最大14万4,000円の所得控除を受けることができます。
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公務員のiDeCo加入者の数は年々増えている!
iDeCoの加入者数は年々増加しています。特に、2017年の対象者拡大から2022年までの5年間で約8倍になり、2022年3月現在で238.8万人となっています。公務員だけを見てみると、2021年12月時点で48.5万人とされています。公務員の数は約450万人であることから、おおよそ10人に1人の割合でiDeCoに加入していることがわかります。企業年金のない会社員の数は約2,300万人ですから、iDeCoの利用率は5%程度です。いかに公務員の利用率が高いかが良く分かります。
公務員がiDeCoをするメリットとは?
公務員が務める官公庁や地方公共団体、学校などはiDeCoの事業所登録ができていることが大半であり、公務員はすぐにiDeCoに加入できます。実はこれはとてもありがたいことなのです。多くの企業では、社員がiDeCoに加入したいといった場合、事業者登録の手続きが必要になります。つまり、公務員はiDeCoに加入しやすい職場で働いていると言えるのです。
公務員の退職金が減少!?老後資金が準備できる!
2015年の年金制度の改正により、公務員の年金受給額は減少しました。さらに、退職金も減少傾向にあることから、老後を心配する公務員が増えています。資産運用と言えばNISAも有名です。NISAの方が多くの金額を非課税で運用することが可能ですが、株や投資の知識が必要です。
それに対して、iDeCoは国が予め準備した投資商品の中から選ぶため、投資や株の初心者でも安心して資産運用ができます。公務員は副業は禁止されていますが、株などの資産運用は問題ないことから、公務員が取り組みやすい老後資金の準備方法と言えます。
【3つの節税効果】積立・運用・受取で、税制優遇が受けられる!
iDeCoは老後だけでなく、現役時代の節税にも役に立ちます。1つが掛金の全額所得控除です。所得控除を受けることで課税所得を減らすことができ、支払う税金が少なくなります。また、運用によって得られた利益は非課税となります。通常、株や投資で得られた利益に対しては20.315%の税金がかかります。この税金がかからずに将来利益を受け取ることが可能です。
さらに、受け取る際にも控除が受けられます。年金として受け取る場合は公的年金等控除、一時金として受け取る場合は退職所得控除が受けられます。このように、様々な面で税制優遇が受けられることがiDeCoのメリットです。
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iDeCoのデメリット
iDeCoにもデメリットはあります。一番よく言われるのが60歳まで引き出すことができないことです。20代でiDeCoを始めたとしたら、30年以上そのお金を引き出すことができません。次に、資産運用という性質から、元本割れのリスクがあります。元本割れとは、運用した資金が当初の金額を下回り利益がマイナスになってしまうことです。
iDeCoの手数料に注意!負担割合が大きくなる
iDeCoの口座開設において3,000円程度の手数料が必要です。これはiDeCoを管理している国民年金基金連合会に支払うものです。公務員は掛金の上限が12,000円と低いため、この手数料の影響が色濃くなります。手数料は掛金の金額に関係ありません。つまり、掛金が少ない公務員にとっては無視できない問題と言えます。
最低金額である5,000円では手数料が大きくなりすぎてしまうため、注意が必要です。同じ理由で、元本確保型の安全な金融商品のみに集中すると手数料が運用利回りを超えてしまう可能性があります。ご注意下さい。
60歳まで資産を引き出せないので注意!
人間長く生きているといつ何があるか分かりません。突然の出費があってもiDeCoの掛金は途中で引き出すことができない点には注意が必要です。また、以下の通り加入年齢によっては60歳を過ぎても受給できないことがあります。
iDeCo加入時年齢 | 受給開始時期 |
~50歳未満 | 60~75歳 |
50~52歳未満 | 61~75歳 |
52~54歳未満 | 62~75歳 |
54~56歳未満 | 63~75歳 |
56~58歳未満 | 64~75歳 |
58~60歳未満 | 65~75歳 |
60歳以上 | 65~75歳 |
マイナス利益に注意!
iDeCoは資産運用という性質上マイナス利益になる可能性もあります。iDeCoの商品は大きく分けて元本確保型と元本変動型の2種類があります。元本確保型とは定期預金や保険商品のことです。iDeCoで定期預金することで節税のメリットがあります。
元本変動型はリスクとリターンのバランスから商品を選びます。リターンが大きい商品はリスクも大きいため、マイナス利益になる可能性もあります。このような値動きの大きな商品は定期的に同じ金額を購入し続けることでリスクを減らすことができます。これをドルコスト平均法といいます。iDeCoは基本的に長期の運用となるため、リスクを低減できます。
まとめ
iDeCoについて基本的な内容を解説しました。副業ができない公務員にとって資産運用は老後資金を貯めるために重要であり、すでに10%の公務員がiDeCoを実践しています。投資や資産運用は苦手だ、という方こそiDeCoはおすすめできます。
節税効果がある一方、60歳までは引き出せないなどデメリットも存在します。資産運用である以上マイナス利益の可能性もあります。公務員であればそこそこの退職金と年金が期待できるため、プラスαの老後資金準備としてiDeCoに取り組んでみてはいかがでしょうか?
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