地震によって家の外壁にひびが入ったり塗装が剥げてしまいお困りではありませんか?
家の外壁は地震保険の対象となるため保険金を受け取れる可能性があります。
しかし、地震保険は制度が複雑なので外壁のひびだけで保険金を受け取れるかどうかはわかりません。
当記事を最後まで読めばあなたの家の外壁のひびや塗装の剥げが地震保険の適応になるかどうかが分かります。
外壁の傷は放置しておくと木材の腐敗やシロアリ被害の原因にもなります。
外観上の問題だけではありませんので、地震被害に遭われた方は地震保険で修理可能か確認しておきましょう。
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地震保険で外壁の修理はできる?
結論から言うと地震保険で外壁の修理は可能です。
しかし、いくつかの条件を満たした場合に限られます。
地震で被害にあった方は以下の記事を読んで地震保険の対象となるか確認してみてください。
外壁の保障は地震の被害の規模で決まる
外壁に亀裂が入ったり塗装が剥げたりした場合などは被害の程度によって補償対象になるかどうかが決まります。
・地震保険の補償対象は建物と家財である
・地震による損害の程度は全損・大半損・小半損・一部損に分けられる
これらを理解して、あなたの家の損害が補償対象となるかどうかを確認していきましょう。
地震保険の補償対象は建物と家財
建物というのは住むことを目的とした部分があることが条件です。
居住のみで利用している専用住宅と、建物の一部を店舗や事務所にしている併用住宅が対象です。
併用住宅の場合、家財については、業務用の設備や什器(じゅうき)、商品、製品は地震保険の対象にならないので注意が必要です。
元々専用住宅で地震保険を契約していて、途中から併用住宅になった場合は必ず契約内容の見直しが必要です。
ここで注意が必要なのが、地震保険は建物の主要構造部の損害状況に基づいて保険金が支払われるということです。
門や塀などは建物の主要構造部ではないため、例えば建物に被害はなかったが塀は崩れたという場合に保険金は支払われません。
家財とは住宅や物置などに保管されているものですが、以下のものは補償対象外ですのでご注意下さい。
・自動車
・1個または1組あたり30万円を超える宝石や美術品
・営業用設備や什器
・通貨、有価証券、預貯金証書、印紙、切手など
地震保険の補償は損害の程度で決まる
地震保険は実際の損害額を保険金で支払うというものではありません。
地震保険ではまず以下の4レベルの損害を認定します。
損害の程度 | 定義 |
全損 | 主要構造部の損害の額が時価額の50%以上または消失もしくは流出した部分の床面積がその建物の延床面積の70%以上 |
大半損 | 主要構造部の損害の額が時価額の40%以上50%未満、または消失もしくは流出した部分の床面積がその建物の延床面積の50%以上70%未満 |
小半損 | 主要構造部の損害の額が時価額の20%以上40%未満、または消失もしくは流出した部分の床面積がその建物の延床面積の20%以上50%未満 |
一部損 | 主要構造部の損害の額が時価額の3%以上20%未満、または建物が床上浸水もしくは地盤面より45cmを超える浸水を受け、建物の損害が全損、大半損、小半損に至らない場合 |
地震で外壁が壊れても補償が効かないこともある
以下の場合は地震保険で外壁の保険金を受け取ることはできません。
・一部損以下の被害
・地震発生から時間が経過してからの損害
・地震以外が原因である損害
あるいは、居住を目的とした建物でない場合は地震保険の補償対象となりません。
地震保険に加入している方は必ず火災保険にも加入しているはずですので、そちらで補償が効くか確認してみてください。
一部損以下の小さな損害の場合
一部損に満たない小さな損害と認定された場合は地震保険の補償を受けられません。
損害の程度は鑑定人という専門の方が判断します。
ポイントは主要構造部の損害であるかどうかということです。
主要構造部とは建築基準法施行令第1条第3号に掲げる構造耐力上主要な部分をいいます。
屋根、外壁、内壁、基礎などの部分が該当します。
例えば窓ガラスは主要構造部ではないので仮に全ての窓ガラスが割れていても地震保険の対象にはなりません。
外壁は主要構造部なので保障の対象となりますが、あとはその程度によって補償額が違います。
ヘアークラックと呼ばれる髪の毛のような細いひびでも地震保険の対象になります。
計算方法は複雑なので、一度保険会社に問い合わせしてみてください。
地震が起きた日の翌日から10日以降の損害
地震発生から10日経過後の損害は対象外となります。
また、3年を経過すると無効になりますので、地震保険はなるべく早めに申請すると良いでしょう。
大きな地震の後に新しい家の外壁に破損があれば、今回の地震による被害である可能性が高いことは誰でもわかります。
しかし、築年数が古い物件の場合はいつ生じた破損なのかわからない可能性があるので、なるべく早めに保険会社に連絡して調査に来てもらいましょう。
そして、証拠となる写真を撮っておくことをオススメします。
特に家財の場合は片付けてしまう前に被害の状況を記録しておきましょう。
大きな地震の場合、保険会社は地震保険の対応に終われるため、調査に時間がかかることがあります。
その際に地震発生から10日以内の写真に外壁の破損が記録されていれば10日以降かどうかを疑われる心配がなくなります。
地震が来てから損害を受けるまでに時間差があれば、それは別の理由による損害と判断されてしまいます。
老朽化による損害
損害保険においては不測的かつ突発的な事故が原因であることが条件となります。
もちろん、地震は不測的かつ突発的な災害と理解されています。
つまり、経年劣化による老朽化による損害は地震保険の対象外です。
地震保険でもらえる保険金はいくら?
地震保険でもらえる保険金額は損害の程度によって違います。
考え方としては時価額を上限として保険金額の一定の割合が支払われます。
時価額とは、対象の建物と同等の物を新たに建築あるいは購入するために必要な金額から、使用による消耗分野経年劣化分を差し引いて算出される金額の事を言います。
地震保険の金額は火災保険の半分まで
地震保険に加入するためには火災保険への加入が必須となります。
火災保険で建物、家財それぞれに一定の保険金額を設定しているはずです。
地震保険の保険金額は、火災保険金額の30〜50%の金額で設定できます。
例えば、火災保険で建物に3,000万円の保険金額を設定している場合、地震保険の保険金額は900万円〜1,500万円となります。
ただし、建物5,000万円、家財1,000万円が地震保険の上限となっています。
また、滅多にないことですが1回の地震による保険金の総支払限度額は12兆円と「地震保険に関する法律」により定められています。
よって、12兆円を超えるような甚大な被害を生じた巨大地震の場合には保険金が削減されることがあります。
損害の規模によってもらえる保険金額は決まる
地震保険の金額は先ほど説明した損害の程度の4つの分類によって以下の通りとなります。
損害の程度 | 建物の補償内容 |
全損 | 地震保険金額×100%(時価額が限度) |
大半損 | 地震保険金額×60%(時価額の60%が限度) |
小半損 | 地震保険金額×30%(時価額の30%が限度) |
一部損 | 地震保険金額×5%(時価額の5%が限度) |
いずれにおいても建物の時価額が上限の指標となります。
理解しておいた方が良いことは、損害を受けたものに対する%ではないということです。
例えば、地震によって壁紙が傷ついてしまいました、調査の結果一部損と認定されたとします。
壁紙の時価が10万円だとすると、10万円の5%が保険金額ではありません。
建物の時価が2,000万円だったとすると、2,000万円の5%なので100万円となります。
上記はあくまでも分かりやすいようにした例え話ですが、5%という数字だけを聞くと10万円の5%で5,000円だと思い込んでしまう方がおられますのでご注意下さい。
損害の規模の考え方
地震保険では全損、大半損、小半損、一部損の4段階に分類することはすでにお話ししました。
調査は損害保険登録鑑定人という専門の方が行います。
基本的にはマニュアルに従って目視で確認して判断することになるので、できるかぎり調査に立ち会い被害の状況を説明することが重要です。
建物の査定は木造住宅と非木造住宅でポイントが違います。
マンションか戸建てでも違います。
マンションの場合は共用部分の損害の程度が基準となりますが、専有部分が特に著しい被害を受けている場合は個別に審査を受けることも可能です。
地震保険の保険金額は時価で決まる
では。具体例を出して保険金額を計算してみましょう。
あなたの家が火災保険を5,000万円で契約していたとします。
地震保険の保険金額は火災保険の30〜50%なので、1,500万円で契約しました。
ちなみに火災保険を5,000万円で契約したというのは、契約時の時価(新価)が5,000万円と言うことです。
数年後、大きな地震があり全損の認定を受けました。
この時の家の時価は4,000万円になっていました。
この場合は地震保険の保険金額の100%(時価が上限)が保険金額となります
保険金額の100%は1,500万円です。
時価は4,000万円で上限未満ですので1,500万円を受け取れます。
時価が上限ですので年々保証される金額は少なくなります。
木造住宅の場合は25年で、マンションや戸建ての場合は60年で時価は20%ほどになります。
先ほどの例で、30年後に地震で全損の認定を受けたとします。
元々は5,000万円の価値があった物件ですが、経年劣化により時価は1,000万円に下がっていました。
この場合は全損であっても地震保険金額の全額より時価が少なくなるため、時価が上限となります。
よって、補償金額は1,000万円となります。
このように、時価という上限があることを理解しておきましょう。
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地震保険で外壁塗装するためには診断が必要
実際にあなたの家の外壁が地震による被害を受けた場合、地震保険の申請します。
保険会社に連絡すると、損害保険登録鑑定人という専門の資格を有した人が調査に来ます。
ここでは地震保険の診断の流れと注意点を見ていきましょう。
地震保険の診断は鑑定人が行う
損害保険登録鑑定人とは、日本損害保険協会が設けている資格です。
資格の取得には試験に合格する必要があるため、専門的な知識を有している人であると言えます。
一般市民が地震保険を使うことは一生の中でも数回でしょう。
知識の量で言うと当然敵う相手ではありませんが、資格を保有しているとはいえ鑑定人によって診断結果に差があるとされています。
細かな部分は置いといて、最終的な診断結果は全損、大半損、小半損、一部損の4段階しかありません。
つまり、1つ診断結果が違ってしまうと保険金額は大きく変わります。
診断結果が不服な場合は別の鑑定人に再診断を依頼することもできますが、面倒なので情報をきちんと伝えて診断してもらうようにしましょう。
調査自体は1~2時間程度で終了しますので、可能な限り立ち会って損害をきちんと説明することがオススメです。
地震保険の診断ヵ所
地震保険で調査する部分は主要構造部です。
基礎、軸組、外壁、屋根などが該当します。
地震保険損害認定基準という基準を日本損害保険協会が定めていますので、その内容に沿って調査が行われます。
また、地震が原因で生じた火災や津波による住宅火災や水害については床面積で判定されます。
建物自体の損害はなくても床上浸水以上の水害があった場合は一部損の認定を受けられます。
木造住宅の場合、従来軸組工法と枠組壁工法によって主要構造部が違います。
従来軸組工法:軸組、基礎、屋根、外装
枠組壁工法:外壁、内装、基礎、屋根
非木造住宅の場合は建物全体の沈下または傾斜の程度を調査します。
沈下や傾斜がない場合は構造ごとに決まった調査項目から部分的被害の損害割合を求めます。
写真をとって地震による損害であることを証明しよう
地震保険の被害状況を確認するために写真の提出を求められることがあります。
地震による被害であることを証明できるように、後々話がこじれないためにも写真を残しておきましょう。
建物の場合は全景を別方向から数枚と、損傷状況がわかるように複数の角度から撮影された写真を残しておきましょう。
ただし、地震によって構造が不安定になっている可能性もあります。
特に屋根の上など危険な足場で撮影する場合は無理をせず業者に相談しましょう。
補償は損害の程度によって違います。
明らかな被害だけでなく、家の中から外までよく調べて被害がないか確認しましょう。
後から被害を発見しても診断が確定してしまっていた場合は加味されない可能性もあります。
特に主要構造部については落ち着いたらなるべく早めにチェックしておき、写真に残しておきましょう。
この外壁は地震保険の対象になる?
地震のあとに外壁に小さなひびが入っていた場合、地震保険の対象になるのか気になると思います。
ここでは、地震保険の対象となるひび割れとならないひび割れについて解説していきます。
地震後の外壁のひび割れ
当然ですが地震によるひび割れが補償の対象となります。
外壁は主要構造部ですので、どんなに小さなひびであっても補償の対象です。
ただし、家の外壁の1ヵ所のみの小さなひびでは一部損に満たないため補償を受けることはできません。
よって、外壁のひび自体は地震保険の補償対象ですが、その他の損害も合わせて一部損以上の診断を受ける必要があります。
ブロック塀や門塀などは住宅ではないため対象にはなりません。
あくまでも居住している建物に対する補償です。
塀にひびが入っていても一部損などの診断に影響しないことを覚えておきましょう。
外壁塗装の剥がれや外壁のひびは経年劣化によっても生じることがあります。
築年数が10年以上の場合は地震による被害であることを証明する資料を求められることがあります。
本当に地震による被害であっても経年劣化と認定されてしまうと保険の対象となりません。
地震発生翌日から10日以降に発生した損害は地震による影響と認められません。
つまり、10日以内に損害の写真を撮影しておく、あるいは診断に来てもらうことが望ましいでしょう。
一部損以下のひび割れでも放置は危険
地震保険が適用になるならないに関係なく、外壁のひびを放置してはいけません。
地震によって外壁にひびが入るということはその他の部分にも被害が及んでいる可能性があります。
なかなか素人では判断できないので、外壁の業者などに点検してもらいましょう。
経年劣化であろうと地震による被害であろうとひび割れに変わりありません。
ひび割れている部位は雨の水がしみこむ危険性があり、雨漏りや内部にある木材の腐敗の原因となります。
木材が腐敗するとシロアリが集まりやすくなります。
シロアリの被害は思っている以上に大きく、耐震性にも影響します。
つまり、次に大きな地震が生じた場合に建物に大きな被害が生じる危険性があるということです。
シロアリ駆除は坪単価1万円程度するため、一度シロアリの被害に遭うと結局費用がかかってしまいます。
さらに、雨の浸水や腐敗によってカビが発生しやすくなるため、アレルギーの原因となることもあります。
このように、外壁のひび割れは放置しておくと後に様々な被害を生じる危険性があります。
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外壁塗装を地震保険で修理する流れ
地震保険で外壁塗装する場合の具体的な流れを紹介します。
ここまでの記事を読んで地震保険の適応になりそうだと感じた方は以下の流れで地震保険の申請をして、保険金を手に入れましょう。
準備するもの
まずはあなたが地震保険に加入している証明として保険証券を用意しましょう。
地震保険は滅多に使わないため、保険証券を紛失してしまっている方もいるかもしれません。
再発行が必要ですが、もし、加入している保険会社すら分からない場合は自然災害等損保契約照会センターに問い合わせれば契約先の保険会社を調べてもらえます。
日本損害保険協会自然災害等損保契約照会センター |
フリーダイヤル:0120-50-1331 |
受付時間:午前9時15分~午後5時(土・日・祝日および12月30日~1月4日を除く) |
次に損害ヵ所の写真を用意します。
保険会社に連絡すればほぼ確実に求められるため、地震の被害に遭ったら写真を撮る習慣をつけておくと良いでしょう。
写真に残しておく事で認定される確率が上がる可能性があります。
家の図面を要求されることになりますので、予め用意しておきましょう。
図面がない場合は主要構造物である軸組や基礎の構造がわからないため正確な診断を受けることができない可能性があります。
仲介業者に相談する
地震保険のみではなく、火災保険などの損害保険全般に言えることですが、仲介している業者さんに相談すると色々とアドバイスを受けられます。
仲介業者は似たような相談を何度も受けているので地震保険の保険金を受け取るための手続きや方法に精通しています。
申請すれば補償が受けられるかもしれない、その状況では地震保険の適応外かもしれない、このように伝えると地震保険を受けやすいかもしれない、などなど。
素人の判断では写真の撮り方も正しくない可能性があります。
地震保険に関する専門知識がない素人がいきなり保険会社に相談すると補償を受けられない可能性があります。
まずは仲介業者に相談してみましょう。
保険会社に連絡し鑑定人に診断してもらう
鑑定人が調査に来ますので、基本的に立ち会って被害状況を説明します。
この調査の結果で損害の程度が判断されるため、可能な限り地震被害であるものを伝えるようにしましょう。
鑑定人も人間なので丁寧な方からそうでない方まで様々です。
あまりにも早く調査が終わった場合は損傷を見落としている可能性もありますので注意が必要です。
また、調査が終わったら鑑定人にどんな損傷があったか、何ヵ所損傷があったかなどを確認しましょう。
木造住宅の場合は素人では判断できないような小さな損傷もあります。
目に見える被害が無い場合でも業者に依頼して細かくチェックしてもらうことで地震保険の対象と判断されることもあります。
ドローンを用いた調査しているところもあります。
高所など足場が必要になると調査にも費用がかかりますが、ドローンであれば無駄な費用を省けます。
認定されれば保険金が支払われる
ここまでこればあとは結果を待つのみです。
鑑定人は「後日結果を連絡します」と言って帰っていくと思いますので、いつ頃になりそうか聞いておくとよいでしょう。
保険金は請求した日の翌日から30日以内に支払われます。
まとめ
この記事をすべて読んで頂ければあなたの家の外壁が地震保険の対象かどうかがわかるはずです。
地震の被害に遭った場合は、まず被害状況を調べて写真に残しておきましょう。
今回は触れていませんが家財の場合は片付ける前に写真を撮っておいてください。
保険会社に直接連絡する前に仲介業者に連絡、相談する事がおすすめです。
地震はいつ起こるか予想できません。
申請に必要なものの中で不足しているものがあればこれを機に準備、保管しておきましょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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